ある女王蜂の死

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 田舎暮しを始めた頃に学んだことがある。自然界にはヒトにとって危険な生物がわんさかいるのだと。ごく身近にいる怖い存在と言えば、スズメバチである。「黒いものが好きだから、頭に止まったら飛んでいくまでじ〜っとしているんだよ。手で払ったりしたら、すぐ刺すよ」と聞いて以来、暖かい季節になるとびくびくしてしまう。
 我が家はなぜか蜂と縁があり、何年も前から今頃になると家の中を日本ミツバチがたくさん飛びまわるようになった。外壁の中に巣を作っているため、内壁の隙間から明るさに惹かれて入り込んで来るようだ。彼らに攻撃性はないけれど、力尽きて床に転がっているのを知らずに踏みつけようとすると、刺す! けっこう痛い……。外に出て見ると、外壁の周囲には、巣から出入りする彼らを狙ってスズメバチがホーバリングしている。小さいミツバチは身を守るため、一斉に集団行動をとって対抗するーー繰り広げられる生命を賭けたバトルの前で釘付けになってしまう。
 あ〜あ、いつの日かパソコンと縁が切れたら、終日アウトドアで好きなだけ自然観察をして過ごしたいものだ。



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 スズメバチと言えば、キイロスズメバチに刺されたことがある。風呂場の近くの外壁の中に巣があるのを知らず、傍の外水道でバシャバシャ派手に洗い物をしていた時、「えーい、うるせっ」とばかりに一直線に飛んで来て、手首をやられた。非常に痛い……。何の蜂だか分からずに騒いでいたら、近くに住む小学生の男の子が親切にも図鑑で調べてくれた。「あれはキイロスズメバチでした」と静かに宣告されて、卒倒しそうになったのを覚えている。
 さて、この蜂! 三日ほど前の午後、ブーンブーン、ブンブッブッと吹き抜けのシーリングライトの周辺を轟音をたてて飛び始めたのだ。羽音も大きいが、体も大きい。3センチはあったろうか。あわててトイレに身を隠してこっそり覗くしかなかった私だが、1時間もすると、奴さんは飛び疲れて天井のライトに止まったきり動かなくなった。ガラス戸を開いておいたが、外に飛んで行く気配もない。その夜も、翌朝もずっとそこに居た。可哀想に、きっとお腹が空いていたのだろう。そして、今朝、床の片隅にこの変わり果てた姿が見つかったというわけ。蜂のことはまるで詳しくないけれど、飛んでいる時の大きさからして、女王蜂ではないかと思っている。女王様がいなくなると、どうなるのだろう。おっかないスズメバチが身の回りから減るだけのこと? とまれ、彼女の短かった一生に合掌。

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by midori-net21 | 2008-05-31 15:34 | 八ヶ岳の里山を歩けば…
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